鍛えるべきは脳
さて 速視とはなんでしょうか。
耳慣れないことばだと思います。
高速の音を聞き取るように、「高速の映像を見て取る」ことです。
いわゆる動体視力の訓練です。
イチローが通り過ぎる車のナンバーを読み取る訓練をして動体視力を鍛えたという話は聞かれたことがあると思います。
イチローはテレビ番組で8ケタの数字を0.1秒見て、7ケタ正解していました。
バッティングセンターで時速200kmのボールを次々ヒットする少年もテレビでやっていましたよね。
動体視力は野球選手やドライバーには欠かせない能力です。
しかも後天的要素が大きく、鍛えることができるんです。
でも学生やふつうの社会人にはあまり必要がない—–のでしょうか?
実は速視は、わたしの昔失敗した速読とつながっています。
速視は結局のところ視力を鍛えているのではなく、映像処理をする脳を鍛えています。
ですから動体を定点で捉える訓練は、止まった文字をかたまりで捉えて把握する速読の訓練と本質的に同じです。
ですから速視によって速読ができるようになります。
しかも速視はわたしの経験では速聴と同じくらい「かんたんにマスターできる」ものです。
速視に慣れれば速読ができるようになるのは、歩きやすい道を選べば険しい山のてっぺんに誰でも登れるのと同じです。
道具
速視の訓練には車やバッティングセンターはいりません。
見たいテレビ番組をDVDレコーダー※で録画して、常に音声付き1.5倍速早送りで見て下さい。
速さ1.5倍はちょっともの足りませんが、かなりの速視聴ができるようになります。
(音声付き「2倍速」DVDレコーダーは、残念ながら国内メーカーにはないようです。)
レコーダー速視はテレビ視聴時間の節約になって速視聴訓練にもなる。 一石二鳥です。
しかも鍛えた速視聴能力は勉強に生かせて習得時間を2/3にできます。
さらに思考・判断・処理が1.5倍速になるので、テストや仕事のアウトプットの時間が1.5倍に使えます。 いいことずくめの好循環です。
※国内DVDレコーダーメーカーはこの速視超訓練機能をまったく重視していませんので、音声付き1.5倍速ができないメーカー、1.5倍速で映像がカクカクしたり音声が聞きやすく調整されてしまう速視超訓練に不向きなDVDレコーダーが多く存在します。
わたしは、パナソニック社のディーガを愛用しています。
速さの視点
IQはもともと軍隊での判断能力の高さを測定するもので、処理の速さに依存します。
試験は限られた期間での習得と限られた時間での回答を要します。
野球やボクシングを含め、たいていのスポーツは反応時間の速さにより勝敗が決します。
でも、高速処理のもたらす莫大な価値を踏まえて、速視聴訓練で「脳力を底上げ」して試験やスポーツや仕事に臨む人はほとんどいません。
ひとえにそういう視点がないからです。
イチローの偉いところは、まさにそういう視点を持っていたことです。
DVDレコーダーもスマホも娯楽情報機器と思われていて値段も5万円程度です。
が、脳力開発機器ととらえるなら、その潜在価値は10倍、100倍あると思います。
けれども長い経験から言うと、そういう視点を持ち 活用をする個人は、今までもこれからもほとんどいないだろうと思います。
組織的にはどうでしょうか。
七田式教育法は、右脳訓練の観点から、6歳以下の幼児向にカードによる瞬間記憶を取り入れて、記憶力増強の実績を上げています。
東大生の3人に一人は公文式か七田式を経験していると言われるゆえんです。
では、お金を払って七田式に通うしかないのでしょうか。
わたしは、機器による速視聴訓練と七田式教育の瞬間記憶は基本的に同じ効果をもたらすと考えています。
違う方法をとるのは、七田式開発当時に高速の機器やアプリがなかったことと、現在においても無料の機器を紹介するのでは「事業(利益)にならない」ので、複雑な体系化となったものと思います。
ですから、お金がなくても七田式教室が近所になくても、「家庭で 無料で 短時間で」 子どもの高速脳を作ることは十分に可能です。