優待クロス取引と必要余力

優待は現物買付余力に対してどこまで買えるのか

明日3月27日(金)は3月の優待の権利付き最終日です。

最近、権利付最終日は確定日の4日前から3日前に変更になったので、3月31日の確定日から数えて3営業日目の3月27日(金)が権利付き最終日になり、この日の15時に現物を持っていれば、優待をもらえることになります。

確定日は3月31日(火)で、信用売りの貸株料も1日だけと条件がよく、逆日歩の心配も少な目です。

3月の優待権利確定日直前にいつも思うのは、現物買付余力に対してどこまで優待株が買えるのかと言うことです。

3月の優待は多いので、できれば上限いっぱいまでクロスしたいからです。

3月だけのことなので今まで資金中の余裕現金内で適当に優待株をクロスしていましたが、いつか整理してみたいと思っていました。おおざっぱでも本質が見えれば十分です。

現物買付余力と信用新規建余力

余力と言っても現物買付余力と信用新規建余力の2つがあります。

GMOクリック証券でも、「口座の状況」欄にその2つがリアルタイムで表示されています。

現物買付余力は簡単です。

使っていない現金資金です。

例えば、3000万円の資金があって、1000万円を現株購入に使っているなら、現物余力は残った現金2000万円です。

信用新規建余力は若干複雑です。

信用取引には30万円の保証金が拘束されること、信用取引は30%の資金で100%の取引が行えること、現物の評価は80%であることなどを踏まえると、ざっくり言って「(保有株の評価額の80%+現金資金)×3」が信用余力になります。

現物余力と信用余力のいずれにも抵触せず、クロス取引を終える必要があります。

クロス取引の流れ

優待取得のためののクロス取引の流れを考えてみましょう。

クロス取引のためには、買いの現物と信用売りを同株数用意する必要があります。

このうち買いの現物については、現物買い手数料より、金利・貸株料を含めた制度信用買いのほうが手数料が安いので、最適な手順は次のようになります。

①権利付最終日寄りつきに、信用買いと信用売りでクロス取引

②直後に、信用買い分を現引する。

③翌日の権利落ち日寄りつきに、信用売り分を現渡で反対売買し、精算。

①②③における余力の動き

具体的な数字に置き換えて考えてみましょう。

3000万円の資金で株式運用しています。

内訳は、現物株を1000万円と現金資金2000万円です。

このときの余力は、

現物買付余力は1000万円。

信用新規建余力は((1000×0.8)+2000)×3=8400万円です。

証券口座の「口座状況」にそのように表示されます。

①→②→③の順に2つの余力がどう動くか考えてみます。

①信用買いと信用売り

権利確定最終日の前日夕方。

信用売り買いを注文します。

わかりやすいように、優待銘柄@1000×1000株=100万円。

こうした優待銘柄を20銘柄買うものとしましょう。

100万円×20銘柄=2000万円ということです。

このときには、

現物買い付け余力は2000万円、信用買いつけ余力は8400万円あります。

信用買いと信用売りに必要な信用余力は、成り行き売り買いに必要な値幅制限分を2割と考えると、2000万円×2×1.2=4800万円。

8400万円の余力は3600万円まで減り、信用売り買い注文は余裕で成立します。

なお、現物買付余力は2000万円から変動していません。

翌日の権利確定最終日の9時。

予定どおりの買建玉、売建玉が成立します。

実際には前日の終値どおりなら4000万円程度の信用新規建余力を消費するだけでしょう。

したがって信用余力は4400万円に増えています。

現物余力は2000万円から変動していません。

なお単純化のため既存の1000万円の株、買建玉、売建玉それぞれ2000万円分については価格変動がないものと考えます。

手数料・金利・貸株料についても考慮しません。

②現引

権利確定最終日の9時直後。

買建玉、売建玉が成立しましたので、優待の権利を取るために、信用買いした銘柄を20銘柄にわたり次々現引していきます。

20銘柄2000万円分現引きすると、現物買付余力は0になります。

信用余力は4400万円から2000万円増えて6400万円になりそうなものですが、もともと2000万の現金があったものが2000万円の株に替わっています。

したがって2000円×3=6000万円の信用新規建余力は2000円×0.8×3=4800万円に減ってしまっていますから、4400万円+2000万円ー1200万円=5200万円の信用新規建余力となります。

いずれにしても現金余力を使い尽くしてすべての現引きが成立します。

③現渡し

権利付最終日の夕方。

翌日の現渡しの注文を20銘柄について発注します。

20銘柄について現物と信用売りを同株保有していますから、これは簡単に発注が成立します。

翌日の権利落ち日。現渡し成立。

また1000万円の現物だけとなり、2000万円の現物余力と8400万円の信用余力が回復しました。

まとめ

①③は余裕で成立する。

②は、単に現物買付余力がもともとあれば成立する。

よって、「優待は現物買付余力を上限に買ってよい」ということになります。

なんかあたりまえっぽいですが、スッキリしました。

現物株の信用買い振替による余力の拡大

例においては、1000万円の現物が遊んでいました。

もう少し優待株を買いたいけど余力がなくて…というとき、こうした遊んでいる株を活用できることがあります。

現物株が決算日が6月12月などずれている銘柄であれば、信用買いに振り替えて一時的に現物買付余力を1000万円増やすことができます。

方法:

現物1000万について、3月の権利付最終日の寄りつきで他の優待銘柄と同様に信用売り買いのクロス。

信用売りに対して既存の株を現渡しして精算。一時的に信用買いのみの状態にする。

これによって現物買付余力が1000万円発生するので、午後の寄りつきで1000万分の優待株をクロス取引。あとは通常どおりの手順で1000万分の優待を取ります。

同時に、信用買いのみとした既存の株も権利落ち日の寄りつき後に現引きして、現物に戻しておきます。これで万事元どおり。

多少の手数料と引き替えに、1000万分の優待を取ることができます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です