ワープロの衝撃
わたしがブラインドタッチをおぼえたのは20数年前です。
まだタイピストに頼んで文書を作ってもらっていたような時代でした。
オフィスにたった1台ワープロというものが入って、新しもの好きな人からそれを交代で使っていました。
フロッピーの輝き
記録媒体は大きくてぺらぺらの5インチフロッピーディスクで、コンピューターの時代の象徴のように輝いて見えたものです。
文章がいくらでも記録できて何回も再使用できる。
なんと便利な時代になったものだと驚きました。
ブラインドタッチのかっこよさ
職員に頼まれて目の醒めるような速さで10本指で文章を打っていく女性職員を見てわたしは、「すごいな。どうやったらそんなふうに打てるの?3か月くらいでできるようになるもの?」と聞きました。
商業高校出のその子は「え?さあ、わかんないですw やってたらなんとなくできるようになったので^^」としか答えてくれませんでした。
不思議なことに他のだれに聞いてもやり方はわかりません。
ワープロは10本指で
半分あきらめかけたわたしの目に書店で映ったのは「ワープロは10本指で」という富永直久さんの本。
富永さんは英語の先生で英語の覚え方、めくりまんシステムとかの話がまず延々と書いてありました。
本題のブラインドタッチについては、ホームポジションから、キーボード中段のASDFG HJKL+、上段のQWERT YUIOP…、下段のZXCVB…と1日30分、声に出しながら打っていくだけでよい、自分はそれでできるようになったとあります。
練習の用語だらけのタイプ教本とはずいぶん違います。
わたしはその本のとおりやってみました。
何日やっても成果は出ませんでした。
10日目に、バカバカしい、こんなことで文章が打てるようになるはずがないと投げ出しました。
学習とインターバル
さらに10日後。それでもせっかくやりはじめたのだから…と再開したらあら不思議。指が動くようになっています。
すぐ、あいうけおかきくけこ…。あかさたなはまやらわ…。いろはにほへとちりぬるを…。わたしは うてるように なりました…。いろんな文章まで自在に打てるようになるまで4,5日でした。
正しい方法であっても、脳が習得するにはインターバルが必要なんだ…
それが、脳の学習過程に興味を持ったきっかけです。