iDeCoが大はやり
最近、iDeCoが大はやりです。
わたしは退職間近で入ることもなかったのですが、有利で確実な利殖としてどんな運用指南本にも取り上げられているiDeCoがどんなモノかと興味があって、勉強してみました。
iDeCoは60歳にならないと一時金または年金を受け取れない、一生モノの利殖です。
わたしの興味は、他の利殖よりホントに有利なのか、その一点です。
わたしの単純な頭で、ざっくり考えてみます。
iDeCoの月掛金には上限がある
こんな感じです。
ふつうの会社員なら、月2万円を目安とすればいいようです。
iDeCoの運用には元本確保型と元本変動型がある
こんな感じです。
元本確保型は月1万円掛けた場合、年1.7%の利回りがなければ年2,004円の手数料に負けるようです。
ええ~;(^_^;)ヒド
元本変動型は投資信託などの運用で、儲かるかも知れないし元本割れするかも知れない運用です。
これでは どちらにしても、本来の運用自体はあまり期待できないようです。
そしたら、一応 元本確保型で、運用益は0の前提で考えてみましょう。
iDeCoの掛金は所得控除対象
元本確保型で、元本割れはないが運用益0を前提とした場合、iDeCoの残るメリットは1年間の掛金が所得控除対象となることです。
自分のための貯金をするだけで税金をまけてもらえるわけです。
おおまかに計算してみましょう。
月2万円×12カ月=24万円
年間にこれだけが所得控除されますから、
所得税率を10%と見ると、24万円×10%=24,000円 …①
住民税率は10%ですから、24万円×10%=24,000円 …②
①+②=48,000円
所得控除によって、毎年48,000円もの税が軽減されます。
大卒で38年間勤めたとすると、
48,000円×38年=1,824,000円…A
これが60歳までのiDeCoの利得です。
自分の貯金を、毎月2万円×12月×38年=912万円積み立てるだけで、これだけの利得があるのです。
912万円+A=10,944,000円
月2万円、38年間、最終評価額10,944,000円として積み立てシュミレーションしますと、
年利回り約0.9%となります。
実質これが、「iDeCoの運用益」です。
放置でこれだけ確実な利回りがあるというのは、正直すごいです。
株式の配当運用
対して、株式投資で考えてみましょう。
株価差益キャピタルゲインは無視して、配当の利回りインカムゲインだけ考えて投資したとしましょう。
高配当の株を底付近で買ってジッと持つ方針なら、税引き後0.9%を60歳まで継続することは可能でしょう。
これも年0.9%の利回りです。
決まった額を年0.9%で運用すれば、power(1.01,38)=1.40
60歳になる38年後には、40%増えています。
株式のメリットとしては、いざというとき自由に使える流動性。
もう一つ、株ならではのインフレリスクヘッジ。
さらに、運用規模が規定されるiDeCoと違って、規模を自由に増減できること。
デメリットとしては、38年にわたる壮大な手間。
判定
利回りは両者引き分けですが、
勝負は、放置して0.9%の利回りが手堅く得られるiDeCoの勝ちとします。
所得控除の利得が大きすぎます。
iDeCoのスキーム、たいしたものだというのが率直な感想です。
ただ、この利回りはもっぱら所得控除の効果によっているので、年240,000円の所得控除の余地がある人であることが条件です。
iDeCoは金額限定なので、株式の配当運用のメリットはiDeCo枠の外で生かせばいいことです。