確定申告終了!
ここのところ記事を書く暇がありませんでした。
録りためたテレビを見たり筋肉を鍛えたりネットで遊ぶ暇もありませんでした。
だいたい3月は忙しい上に去年の4月から遠距離通勤になったり自治会長だったり。
おまけにこの2月3月は子どもたちのw受験(高・大)なのでそれが最大優先です。
それに加えてここ数日は確定申告の時期だったからです。
いやですねーw。
大嫌いです この季節。
確定申告の締め切り3月15日が迫ってくるとイライラしますw
でもやっと今日、終わりましたよ。
こんなに疲れたのは今年の申告はまたまた新しい課題「退職所得の還付」が出てきて、頭の中が「???」だらけだったからです。
確定申告を始めたころ
思い返せばサラリーマンのわたしが確定申告を始めたのは平成15年でした。
15年前です。
確定申告とか「めんどうくさい」ことは大嫌いなのですが、平成14年頃に株取引を始めたので、しょうがなしに申告しました。
いい時期だったので儲けもけっこうでていました。
当時は株の税率も10%で安いなと感じたものです。(今は20%)
しばらくたって、平成19年に父が亡くなって農業所得を申告するようになりました。
さらに、平成27年から母の医療費が多いことに気がついて医療費控除をするようになりました。
平成20年頃に同僚が「医療費控除がなんとか」と話すときにはなんのことかもわからず、なんでそこまでするのか、わからなかったものです。)
おなじ平成27年頃からふるさと納税(寄付金控除)も始めました。
平成28年にはシロアリ駆除に100万もかかって雑損控除。
金額が大きいと10%でもずいぶん還付がありました。
そんなこんなでずいぶん確定申告には慣れたつもりでいたのですが、今年は勝手が違いました。
去年、退職所得があったからです。
退職
去年の3月退職して、再就職しました。
4月には退職金も入りました…。
またF生命の個人年金が10年ほどは入りますが、これもF生命から確定申告が必要と言われて収入と経費の明細ハガキを受け取りました。
再就職先ではずいぶん給料が激減しました。
現役の半分ほどです。
これは今までなかった「劇的な変化」を生みました。
給与所得控除後の所得額より所得控除額が多いという結果です。
つまり所得控除後の課税所得はマイナスです。
これで生活できているのが不思議ですw
また、昨年の課税所得がマイナスになるということは、「今年の住民税が0」、つまり「昨年のふるさと納税に係る住民税還付がない」ということです。
これは想定外です。
面白くないです。(>_<)はぁー
退職所得の処理
退職金には、勤務期間20年までは年間40万円、20年超は年間70万円の退職所得控除があります。
つまり勤務年数をAとすると、退職所得控除額は 800万円+(70万円×(A-20))となります。
これで退職金の95%程度は控除されてしまいます。
残った額はわずかです。
その額に1/2を掛けた金額が「退職所得」です。
それにさらに5%を掛けたものが「退職所得税額」です。
一方で、通常の給与所得と違い、住民税も所得税と「同時に」かかります。(退職所得特有)
退職所得に6%を掛けた金額が市民税、4%を掛けたものが県民税。
退職所得に合計15%の税金がかかるわけです。
それでも、たいした税額ではありません。
約10万円ほどですから収入総額の1%以下です。
退職所得は、源泉分離課税となっています。
つまり、すでに源泉徴収は完結しているので「確定申告はしなくてよい」ということです。
逆に言えば、申告の義務はないけれどもしてもよい、ということです。
確定申告して意味のあるのは「所得控除で引き切れなかった」、つまり所得より所得控除が大きかった「マイナスの課税所得」のときです。
まさにわたしのケースです。(^^)/
退職所得の還付
いまどきは3年くらい、もう少し先の人になると5年は年金をもらえないので、再就職する人は半分以上いるでしょう。
が、再就職してもわたしのように収入が激減する人は多いと思います。
再就職せずにすます人もいます。
そういう人は、収入は激減どころか0になるでしょう。
そう考えると、所得控除後に課税所得がマイナスの人はわりと多いのではないでしょうか。
でも「退職所得の還付」を申告する人は、税金関係サイトを見る限り『極めて少数』とのことです。(めんどくさいからね)
現にわたしだって今年の2月時点まで、「退職金は確定申告しなくていいそうだ。やれやれよかった(^o^)」と思っていました。(めんどくさいからね)
でも今年3月になって確定申告のため平成30年の源泉徴収票などを整理しているうちに、やっと気がつきました。
「そもそも30年の年末調整後の源泉徴収票を見ると平成29年に比べて源泉徴収税額が異常に少ない(7千円)。」
4月からの給料が激減したからです。
「これでは確定申告しても還付の元手がないじゃないか(゚_゚;)」やっとそのことに思い至りました。
実際、年末調整後の源泉徴収票を元に医療費控除など年末調整外控除を追加すると、50万円ものマイナス課税所得になってしまいました。
5%の所得税率を想定しても本来2万5千円の還付。
7千円の源泉徴収額だけでは取り返せません!
ここに至って始めて「確定申告で、退職金の源泉徴収額の還付が受けられる」とどこかに書いてあったことを思い出しました。
確か退職手当の源泉徴収票では10万くらいは源泉徴収されていたはずです。
「極めて面倒そうだけど、他に原資がないなら退職所得の源泉徴収から還付を受けるしかない(゚Д゚)」と決心しました。
退職金の還付手続
ここ数日、確定申告の資料を整理しながら、ネットで調べました。
退職金の源泉徴収の還付について書いてある記事は少ないです。
確定申告書における退職金の還付の記載方法について書いてある記事はもっと少ないです。
一つだけ見つけましたが、わたしのケースと違いすぎていてそのまま転記はできませんでした。
でも大事なことが二つ分かりました。
①退職金の源泉徴収のうち、住民税部分(市町村民税6%、都道府県民税4%)はどうやっても還付されない。
理由は地方税収入の安定と事務処理上の都合、といったところのようです。
わかったようなわからないようなw
これで、退職所得で源泉徴収された10万円のうち、還付対象として残るのは所得税部分の4万円だけとなりました。
これでも、なんとか還付には足りそうです。
②マイナス所得の5%分が退職所得の所得税源泉徴収額と通算できるらしい。
退職所得は「源泉分離課税」。
そうすると農業所得のように一表に記入するのではなく、申告分離課税の株式譲渡所得と同様、分離課税専門の三表で記載し、所得と税額の通算をするらしい。
三表の記入
ここまでわかれば、あとは自分なりに突き進むしかありません。
記載方法なんて、間違っていてもかまいません。
確定申告って、「申告すること」が大事です。
申告しなければ還付されることはありません。
記載方法が違っていれば、会場で誰かが直してくれます。
確定申告の締め切り3月15日までにはもう10日しかありません。
いくつか記入例を見てわたしの例と合うものはないと見切ったので、自分なりに憶測で書いて提出することにしました。
三表左 収入金額欄
退職ニ欄…退職収入を記載
三表左 所得金額欄
退職69欄…退職所得を記載
退職所得=(退職収入ー退職所得控除)×1/2
※退職所得控除=800万円+(70万円×(勤務年数-20))
ただし、退職所得控除額は、計算するまでもなく退職所得の源泉徴収票に記載されています。
三表左 税金の計算欄(課税される所得金額)
9欄、25欄…所得と控除金額を一表から転記。
これで両欄の差額50万が、「マイナス所得」として一表のみならず三表にも表現されました。
さて、悩んだのはここからです。
70欄…-50万とマイナス所得額千円単位に丸めて記載
77欄…退職所得を千円単位に丸めて記載
※上記2つは記載が正しくなかった(この段階で相殺し77欄に集約すべきだった)ことが、あとで分かることになります。
所詮、形式ですけどね。
三表右 税金の計算欄(税額)
70対応分78…-50万の5%25,000を記載 …X
77対応分85…退職所得の5%を記載 …Y
78から85までの合計欄86…Y-Xを記載 →これで「マイナス所得」25,000円が退職所得の源泉徴収額と通算され、そのぶん減額された本来の税額が出ました。
※前項の続きで、ここも退職所得の相殺結果の5%=Y-X、だけを77対応分85に記載するのが正しかったことがあとで分かります。当然、その額は78から85までの合計欄86に単純に転記されます。ただしこれは表現上の問題であり、78から85までの合計欄86の結果は同じです。
一表の記入
一表右 税金の計算欄
26欄…0
27欄…(Y-X)
(以下途中略)→48欄「還付される税金」=25,000円+7,000円=32,000円が記載。
これで途中記載の妥当さはともかく、確定申告でわたしが「なにをしたいか」は明らかになったはずです。
本日 会場にて
以上のようなことで確定申告書一表~三表を記入して、本日会場に行きました。
今日は大変会場が混んでいて、整理券をもらった時点で「120分待ち」の掲示が出ていました。いつも以上に長いです;
さすがに待ちきれないので、その間に街に出て優待でモスバーガーを食べてきました。
帰って、順番が来たとき「税務署ジャンパー」を着た人に相談してみました。
「一応全部書いてきましたが、退職所得の還付があるので記載方法に間違いがないか、見てほしいんです。」
「………。先生に見てもらって下さい。」
税理士相談コーナーにたらい回し案内されましたw
税理士の先生に対面で相談するのは、初めてです。ちょっと緊張しました。
60歳くらいの真面目そうなおじさんです。
「あー、三表左の70欄給与所得金額ね。マイナスはダメですよ。0と直してください。」
(なるほど。マイナスはダメなんだ。)
「それで右欄に進んで、…」
「ちょっと待ってください先生。それじゃ給与所得のマイナスと退職所得の通算ができないのでは?」
「いやー、退職所得の還付はできませんから。給与の源泉徴収の7,000円だけ還付できます。」
「え。でも退職所得の還付ができるっていろんな記事に書いてあったのでわざわざ申告に退職所得含めてるとこなんですけど…?? 還付ができないなら、退職所得含めた意味がありません。」
「いや、できないはずですよ…」
2回ほど押し問答してると、さすがに先生、不安になったのか後ろの誰かに確認してくださいました。
帰ってこられて、「正しかったです。」
「え、なにがですか」
「あなたが正しかったです」
あー、よかったと思いながら先生のプライドを傷つけないように気を遣いながらご指導に感謝を述べました。
こちらも数日のにわか勉強で申告書に書いてきただけの、自信のないしろうとです。
それにしても、退職金の還付ってそんなにされてないものなんですね。
「えーっと、そうするとね。給与所得がマイナスのところを0にしたぶん、三表左77欄の退職所得の金額を減らすことになります。」
なるほどー。税金サイトの記載方法の説明がやっと理解できました。
三表左の所得段階で通算を済ませあくまで+で計算を進める…ということのようです。
確定申告書記載の常識のようなものが分かって、今回も勉強になりました。
「三表だけ今のように書き直して提出してくださいね。」と言われて、書き直すのはカンタンなのですぐやって、今日中に確定申告を完了することができました。
先生ありがとう(^o^)
ということで、退職後働いてない人、収入激減の人などマイナス所得で還付の対象者は多いと思われるのにされてない「退職所得の還付」をがんばってしてみたよ!というお話でした。
退職所得がらみの申告は自分はもうないと思いますが、人に聞かれたら教えてあげれるように、覚えとして今日中に書いておこうと思いました。
おやすみなさーい。(_ _)zzz